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海外を目指すITエンジニアのための「グローバル・プロジェクト」の実務ノウハウ

日本の常識は通用しない・・・グローバル・プロジェクトの特徴


海外を目指すITエンジニアのための「グローバル・プロジェクト」の実務ノウハウ[第11回]


2018.8.10

五嶋仁

高木右近日向

前回は、海外現地の「働き方」に合わせた日程計画の立て方を取り上げました。今回は、日本人が海外に常駐して働く際の注意点について見ていきます。

就労ビザのほかに「労働許可証」が必要な国も

日本人が海外に常駐して働く際には、ワークパーミット(労働許可証)について知っておく必要があります。

多くの日本企業、特に製造業が進出しているタイ。私たちも多くの仕事をさせてもらってきました。そのタイでは、就労ビザ(Bビザ)はタイへの入国許可とビジネス目的での滞在許可ですが、労働そのものを許可するものではありません。タイで長期間働くためには、ワークパーミットが必要です。

注意すべきことは、ワークパーミットを取得できれば、確実に就労ビザを発給してもらえますが、就労ビザを発給してもらえてもワークパーミットを発給してもらえるとは限らないことです。

またワークパーミットを発給してもらってから仕事を決めることはできません。具体的な仕事を先に決める必要があります。

というのは、ワークパーミットには発給条件があるからです。具体的には、資本導入があり、社長・取締役等の高い地位があること、技術移転を伴うこと、単純労働などタイ人の職を奪う業種でないことが原則です。この考えのもと、会社の規模、業務内容、職種などを書類と面談で審査されて、ようやく発行してもらえます。

このことを知らないで、タイで長期労働をすると不法就労に問われることがありますので、注意が必要です。ワークパーミットが必要な国や地域は、タイの他にはベトナムがあります。

インドやカナダなどは、就労ビザの取得が難しい

なお、就労ビザの取得が難しい国や地域もあります。

インド(高い専門性が求められる)、カナダ(発給自体が厳しい)などです。また中国、インドネシアなどは、以前は比較的ハードルが低かったのですが、ここ最近では年々難しくなっています。

とはいえ、ある程度の実務実績があるITエンジニアであれば発給されやすいので、あまり心配する必要はありません。就労ビザやワークパーミットの発給については国や地域ごとに考え方が違うことを押さえておくことが重要です。

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