第3回 ポイント2 RPA導入の方法を知る-1
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RPA導入を成功に導くための4つのポイント
第3回 ポイント2 RPA導入の方法を知る-1
イー・ビー・ソリューションズ株式会社 コンサルティング部
マネージング・コンサルタント 錦織 礼二
対象業務を決める - 対象業務選定
社内へのRPA導入が決定したら、各部署より対象業務の候補を収集します。以下のような、ロボットに適している業務を各部門より抽出しリストに書き出します。
- ミスしても影響が少ない業務
- データの取得やシステムへの入力
- 社内システムへのアップロード、ダウンロード
- 決められた定型フォーマットの帳票作成
- ルール化されている業務
- 時間や環境の制約が少ない業務
- 月次や四半期などの定期報告資料の作成
- 人の目による分析・判断が必要
- フォーマットが統一されていない
- 判断が複雑、条件分岐が多い、例外対応が多い
- ルール変更が多い
- 表示パターンがいくつもあるシステムの操作
- メールを受信し、送信元や内容を判断する必要がある
- エクセルだけで完結できるがマクロのような複雑な表計算の操作
リストの内容より前章で説明した業務委託(BPO)型、もしくは派遣型のどちらのタイプが向いているかを判断します。
- 定形的な業務が大量にある
- 複数の人員が類似した業務を担当している
- 業務が定期的に発生する
- 労働資源の補充がすぐ必要
- 必要人員が1名以下
- 業務が不定期に発生する
一般的な組織改革も、BPOと派遣による労働力の確保は、プロセスが異なります。RPAも同様に、それぞれのタイプに適した導入が、必要となります。
それぞれのタイプに適した導入
一般的な組織改革も、BPOと派遣による労働力の確保は、プロセスが異なります。RPAも同様に、それぞれのタイプに適した導入が、必要となります。
業務委託(BPO)型RPA導入1 - 業務委託者と受託者(ロボット)の関係
一般的な業務委託契約の場合、「請負契約」と「委任契約」の2種類があります。「委任契約」の場合、委託者の指示により、業務を行うことが主な役割ですが、成果物に対する責任はありあません。
ロボットも同様に、業務部門(RPAを利用する部門)からロボットの管理組織(ITなどの社内の管理組織)が、実行責任を負いますが、ロボットが作成するアウトプット(成果物)の責任は、委託元である業務部門が負う必要があります。
業務委託形態 | 人に(準)委任する場合 | ロボットに委任する場合 |
---|---|---|
目的 | 事務の処理 | ロボットが特定の業務を代行 |
実行責任 | 善管注意義務 (委任された人は手抜きやミスをしないように注意する) |
善管注意義務 (委任されたロボットは手抜きやミスを絶対にしない) |
成果責任 | 委託元が責任を負う | 委託元が責任を負う |
指揮系統 | 委託者が作業者に指示を行う | 可視化した業務プロセスよりロボットが実行するためのシナリオを作成し、ロボット管理ツールがロボットに指示を行う |
報告義務 | あり | あり(メール等で実行の開始・完了を通知する) |
業務委託(BPO)型RPA導入2 - 導入体制とガバナンス
業務委託(BPO)型のRPA導入を行う場合は、導入規模が大きくなります。そのため、IT部門が主体となって専門の組織CoE(Center of Excellence)を設置し、全関係部署より担当者を集めて体制を構築します。また、ロボットに指示するためのシナリオの開発プロセスを標準化し、ロボットの品質に差が出ないようにします。
RPAを確実に導入するためには、従来のプロジェクトと同様にロ-ドマップやマスタスケジュ-ルを作成し、関係者含めてキックオフを行い、RPA導入が関係者だけでなく、外部からもわかるようにル-ルを可視化することが重要になります。
*CoE: Center of Excellence (組織横断の専門チ-ム)