第2回 ポイント1 RPAの特徴を理解する
- TOP
- コラム
- RPA導入を成功に導くための4つのポイント
- 第2回 ポイント1 RPAの特徴を理解する
RPA導入を成功に導くための4つのポイント
第2回 ポイント1 RPAの特徴を理解する
イー・ビー・ソリューションズ株式会社 コンサルティング部
マネージング・コンサルタント 錦織 礼二
RPAの位置づけ
RPAとはなんでしょう?
RPAという言葉が認知されるようになってからも、ときどき質問を受けることがありますが、我々はこのように答えています。 RPAは、オフィスで発生する煩雑で面倒な定型業務を、間違えることなく迅速に代行してくれる、いわば仮想知的労働者の"ロボット"です。しかし、ロボットと説明しても、デスクトップ(パソコン)の中で働くロボットで実体が無いため、 システム(ITツール)と認識されることがあります。
我々が過去に経験した内容を基に、RPAの特性を説明しましょう。
RPAとはシステム?
RPAとはシステムであると理解すると、従来のシステム導入と同じ開発プロセスを適用することになり、ROI(費用対効果)が出ずに「RPA導入が失敗」、ととらえられることがあるので、システムとしてではなく、「人を雇用する」(労働資源の調達)、もしくは「人に委託する」ことの肩代わりと捉えたほうが適当と言えます。
- RPA導入をシステム開発とみなした場合のリスク -
- システム開発プロセスを適用すると、導入期間が長くなる
- システム導入と同等のコストがかかる可能性がある
- IT部門に、導入を丸投げする可能性がある
それでは、次にRPAを労働資源と捉えた場合の、導入プロセスを詳しく説明します。
労働者としてのRPA
RPAはデジタルレイバー(Digital Labor)とよく言われます。
前述のとおり、RPA導入は「デジタルな労働資源を調達すること」、と捉えたほうが適当でしょう。ただし、労働資源が人ではなく自動的に実行するプログラム(以下、ロボットと呼びます)となるため、勤怠管理や健康管理などは必要ありませんが、労働環境や、業務内容やルールの指導が必要となります。そのため、単純に業務マニュアル(シナリオ)を作成するだけでなく、適正業務の基準や、導入ルール、コンプライアンス、セキュリティ規約違反のチェックなど様々な統制管理を整備する必要があります。
業務委託(BPO)型 or 派遣型
RPA導入をデジタルな労働資源(Digital Labor Resource)の調達と捉えた場合、実際の労働者リソースを調達する場合と同様に、業務委託(BPO)型や労働力の確保派遣型の二つのタイプに分類されると考えられます。導入する環境によりどちらが適しているか判断したほうが良いでしょう。また、それぞれのタイプにより最適なRPAツールを選択すると、失敗のリスクが軽減されます。
- 定形的な業務が大量にある
- 複数の人員が類似した業務を担当している
- 業務が定期的に発生する
- 労働資源の補充がすぐ必要
- 必要人員が1名以下
- 業務が不定期に発生する
まとめ
RPAはIT部門が主体となって導入するため、システムと認識している場合が多いのですが、生産性向上を目的とした社内全体の業務効率化のための手段として導入している企業が大半です。そのため、RPAは労働資源(人)と認識したほうが自然と言えるでしょう。
また、BPO型なのか派遣型なのか、社内にとってどちらが適正なのかを踏まえ、適切な導入プロセス(導入方法・不安の払拭・定着化)用いることで最大限の効果が創出されることになり、導入の目的を達成することが出来ます。
次回より、それぞれのタイプに適したRPA導入プロセスについて紹介します。