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第5回 ポイント3 RPA導入のリスクを払拭する

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RPA導入を成功に導くための4つのポイント

RPA導入を成功に導くための4つのポイント

第5回 ポイント3 RPA導入のリスクを払拭する

イー・ビー・ソリューションズ株式会社 コンサルティング部
マネージング・コンサルタント 錦織 礼二

1.野良ロボットの発生

職場で派遣社員を雇用しても、指導、教育が不十分、または管理者、指導者が不在の状態で、そのまま放置すると、ミスや業務トラブルのリスクが高くなります。

ロボットも同様に、管理者が不在で、またロボットの仕様書・取説もないと、何を目的として作られて、どのような動作をするのかだれも分からなくなり、放置されると野良化します。このような状態を野良ロボットと呼び、業務トラブルはもちろんのこと、セキュリティ事故など、様々なトラブルリスクが非常に高くなります。

サ-バ型RPAの場合は、管理サ-バで一元管理できるため、用途不明なロボットが発生するリスクは低いのですが、デスクトップ型は導入した個人のロ-カルPCで管理されるので、野良ロボットの発生リスクが高くなります。

抑制するには、RPA化の判断基準に、野良化する可能性が高い業務であるか(属人化されて誰も内容を知らない業務、不定期に発生する業務など)、の判断を追加する、またはロボットをリスト管理する、管理ツ-ルを導入する、などが有効です。

野良RPA

2.全社展開ができない

企業が組織を拡大するときには、少なからず課題が発生することがあります。

- 主な課題

  • 管理体制の不足 (管理者や管理部署の不足)
  • 業務ル-ルが不十分 (コンプライアンス、セキュリティ、社内規程など)
  • 計画が不十分 (展開計画、ガイドライン)

RPA導入も同じように、小規模で行うPoC(*)から全社への展開となると、体制も進め方も異なり、下図に示すような様々な課題が発生します。

*PoC: Proof of Concept(概念・コンセプトの実証)

PoCは実現性を検証するため最小限のチ-ムで活動することが多いので、PoC体制のまま全社展開を進めると、作業計画に対して、導入人員の不足や、管理体制が不十分となります。

その結果、課題が解決されないまま放置されて山積みとなり、展開がとん挫することもあるため、体制を見直し、無理のない展開計画を作成するなど、確実に進めるよう準備してから展開をスタ-トさせましょう。

RPA展開

3.セキュリティのリスク

情報漏えいや、システム停止等の情報セキュリティインシデントは、どの組織にとっても起こりうるリスクとして、業務遂行上の大きな課題となっています。そのため情報セキュリティ対策は避けては通れません。

ロボットは善悪を判断できないため、業務担当者がロボットに指示する内容が、セキュリティに違反していないか診断する必要があります。また、開発したシナリオが適正か診断するコ-ドレビュ-や、ロボットが実行する環境のセキュリティを強化したり、運用担当者を設置してログを定期的に監視させたり、運用時の体制を整備してセキュリティ事故が発生しないようにする必要があります。

セキュリティのリスク

4.開発ル-ルが無いことへのリスク

RPAツ-ルを導入し、開発を進めるにあたり、ガイドラインがないと、作る人により品質に差が出たり、やってはいけないことをやるロボットが発生する可能性が高くなります。稼働開始後のトラブル発生を防止するためにも、設計/開発ガイドラインの整備は必要となります。

セキュリティのリスク

まとめ

どちらのタイプでも、ロボットが業務を行うことで、コンプライアンス違反やセキュリティ事故を起こしてはなりません。

そのため、導入先の組織に対する教育はもちろんのこと、対象業務が適正か判断するための導入基準を整備して、チェックするためのガイドライン整備や、体制構築を行うことが、重要になります。

RPA制御

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